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ストレートネックによる様々なリスクと具体的な改善方法について解説

  • 執筆者の写真: 柾行 神田
    柾行 神田
  • 3 日前
  • 読了時間: 11分

ストレートネックは、近年スマホやPCの普及に伴い急増している首の疾患であり、見た目だけではなく頭痛・肩こり・めまい・息苦しさなど多岐にわたる症状を引き起こすことがあります。首は神経・血管・自律神経が集中するデリケートな部位のため、誤った対処や放置によって症状が悪化するケースも少なくありません。


ストレートネックの仕組みや具体的な症状、避けるべき習慣、改善方法、整骨院でできるケアについて詳しく解説します。早期に正しいアプローチを行うことで、症状改善に向けた大きな一歩となるでしょう。


ストレートネックの図説


ストレートネックとは何か|首の構造と症状

本来、首の骨(頸椎)は緩やかなカーブを描き、頭の重さを効率よく支えられる構造になっています。ところがストレートネックになると、このカーブが失われ、頭の重さを筋肉で直接支える状態になり、さまざまな症状へつながることがあります。まずは特徴と症状を理解しておくことが改善の第一歩といえるでしょう。 


首の弯曲が消失する仕組みと特徴

頸椎の本来のカーブは「生理的前弯」と呼ばれ、頭の重さ(約4〜6kg)を分散する役割を果たします。ところが長時間うつむいた姿勢が続いたり、猫背が習慣化したりすると、このカーブが徐々に失われ、首が真っすぐに伸びた“ストレートネック”の状態になります。


首の筋肉にかかる負荷は通常の2〜3倍になるとされ、筋肉の緊張、関節の動きにくさ、姿勢のバランスの崩れが生じやすくなります。こうした状態が続くことで肩こりや頭痛など幅広い症状につながり、日常生活に支障をきたすケースもあるため注意が必要です。 


ストレートネックで起こりやすい症状

ストレートネックでは首・肩の筋緊張だけでなく、頭痛、後頭部の重だるさ、めまい、眼精疲労、腕のしびれなど多様な症状が現れます。また、胸郭が硬くなることで呼吸が浅くなり、自律神経の乱れによる倦怠感が出ることもあります。頸椎の可動域が低下して振り向き動作がしづらくなるほか、顎周囲の筋緊張により顎関節症様の症状につながるケースも見られます。慢性的に続く場合、仕事や家事にも影響を与えるため、早めのケアが大切だと言えるでしょう。 


神経・血管への影響により起こるリスクとは

頸椎には脊髄神経、椎骨動脈、自律神経が走行しており、ストレートネックが進行するとこれらに負担がかかります。特に椎骨動脈の圧迫はめまい・ふらつき・吐き気につながりやすく、神経への負担が大きくなると腕のしびれや力の入りにくさなどの神経症状が出ることもあります。また、首前面の緊張は呼吸を浅くし、自律神経の乱れを助長する可能性も否定できません。これらは生活の質を大きく低下させるため、放置は避けるべきだと言えるでしょう。


首周りの神経・血管のイラスト


ストレートネックの原因とは?

ストレートネックは病気ではなく“生活習慣による姿勢の崩れ”が主な原因です。特にスマホやPC作業に伴う姿勢不良は最大の要因であり、近年の患者増加の背景にもなっています。日ごろの習慣を見直すことで改善に向かうケースも多いため、まずは原因を理解することが重要です。 


スマホ・PC作業による姿勢

スマホを見る際の「うつむき姿勢」は首に非常に強い負担をかけます。頭が前に出るほど首の後ろ側の筋肉が引っ張られ、頸椎のカーブを失いやすくなります。PC作業でも、画面が低すぎたり椅子の高さが合っていなかったりすると首が前にのめり、ストレートネックを悪化させる姿勢になります。1日に数時間うつむくだけでも、首の弯曲は徐々に変化していくため、日常の姿勢改善は避けて通れない課題といえるでしょう。 


猫背・巻き肩が首の影響

猫背は胸椎の後弯(丸まり)が強くなり、肩が内巻きになることで首が前方に引き出されやすくなります。この姿勢は頸椎全体のバランスを崩し、首の自然なカーブを失いやすくします。巻き肩も同様に胸部の可動性を低下させ、呼吸が浅くなることで筋肉の緊張をさらに強める可能性があります。結果として首への負荷が高まり、ストレートネックが定着してしまうケースも少なくありません。 


筋力低下・呼吸の乱れによる不安定性

首を支える筋肉や体幹の安定性が低下すると、頸椎が正しい位置を保つことが難しくなります。特に深層の筋肉(インナーマッスル)が弱いと、頭部の重さを一部の筋肉が抱え込む形になり、疲労から姿勢が崩れやすくなります。また、呼吸が浅くなると胸郭や首周りが緊張し、さらに姿勢が乱れやすい悪循環へつながります。筋力と呼吸は首の安定に欠かせない要素であり、改善のためには両方を整える必要があるでしょう。



やってはいけない悪化の恐れがある対処法

ストレートネックは自己判断でケアを行うと、かえって症状を悪化させる可能性があります。特に首は神経や血管が集中する部位のため、不適切な対処はリスクが高まります。注意すべきポイントを確認しておきましょう。 


自己流ストレッチや強引な矯正のリスク

痛みがある状態で首を強く伸ばす、反らす、捻るといった行為は非常に危険です。頸椎周囲の筋肉や靭帯に負荷をかけるだけでなく、神経や血管を圧迫するリスクもあります。また、インターネットの情報をそのまま真似たストレッチが体の状態に合わず、かえって症状を悪化させるケースも珍しくありません。安全に改善を進めるためには、専門家の評価を受けたうえで適切なケアを選ぶことが求められます。 


枕選びの落とし穴と注意したいポイント

「ストレートネックに良い」とされる枕やタオル枕を自己判断で試す方も多いですが、合わない枕は症状を悪化させる可能性があります。特に高さが合っていない枕は、首を過度に反らせたり曲げたりしてしまい、結果として筋緊張を強めることがあります。枕は“正しい姿勢で眠れるかどうか”が最も重要であり、形状だけで選ぶのではなく、自身の身体の状態に合わせて選ぶ必要があるでしょう。 


痛みをごまかし続けることで起こる慢性化

湿布や痛み止めで症状を抑え続けると、一見改善したように感じてしまいますが、根本原因はそのまま残っています。痛みをごまかして無理を重ねるほど首の負担は増し、筋緊張や関節の制限が強まって症状が慢性化しやすくなります。長期間続くストレートネックは改善までに時間がかかるため、早い段階で適切なケアに向き合うことが大切です。


ストレートネックを改善するための正しいアプローチ

ストレートネックの改善には、首だけにアプローチするのではなく、姿勢・動作・筋力・呼吸といった“全体のバランス”を整えることが欠かせません。根本的な改善には次のポイントが重要になります。 


首だけでなく姿勢・動作改善

首の位置は胸椎・骨盤・下肢の影響を大きく受けており、首単独で改善しようとしても限界があります。猫背を整えるための胸椎の可動性向上、骨盤の前後傾の調整、体幹の安定化などを合わせて行うことで、首が正しい位置に戻りやすくなります。また、日常の動作(座り方・歩き方・物の持ち方)を見直すことも重要で、習慣改善が定着することで再発しにくい状態をつくり出すことができます。 


ストレッチと筋トレの正しい取り入れ方

ストレートネックの改善には、硬くなった筋肉を緩めるストレッチと、弱っている筋肉を鍛えるエクササイズの両方が必要になります。特に胸の筋肉や首前面の筋肉は緊張しやすいためストレッチが有効で、深層の首の筋肉(深頸筋)や体幹の筋肉は強化が欠かせません。大切なのは「痛みのない範囲で正しいフォームで行うこと」であり、誤ったフォームでのトレーニングは逆効果になるため注意が必要です。


整骨院でできるストレートネック改善のためのケア

整骨院では、筋肉・関節・動作の評価を通して原因を特定し、患者様に合わせた施術を行うことができます。ストレートネックの改善には、個々の身体の状態に合わせて総合的にアプローチすることが重要です。 


整骨院での施術の様子

姿勢・動作・筋バランスの総合的な評価

当院では、姿勢分析、可動域チェック、動作のクセなどを丁寧に確認し、ストレートネックの原因を明確にしていきます。単に首だけを見るのではなく、胸部・骨盤・下肢まで含めて全体のバランスを総合的に評価することで、改善に向けた適切な方針を立てることが可能です。 


首肩まわりの調整と胸郭・骨盤まで含めた施術

首の筋膜リリースや関節調整だけでなく、胸郭・肩甲骨・骨盤の動きも整えることで首へかかる負担は大きく減少します。呼吸が改善されるため筋緊張も緩みやすくなり、首の本来のカーブを取り戻しやすい状態になります。一人ひとりの身体の状態を踏まえて施術を行うことで、より持続性のある変化が期待できます。 


整骨院での姿勢評価の様子

症状に合わせた運動療法とホームケア

施術後は、筋力のバランスや姿勢改善に必要な運動療法を取り入れ、自宅でも継続できるよう丁寧に指導します。リハサクの動画を活用し、正しいフォームで取り組める環境を整えることで、再発予防にもつながります。日常の習慣が改善されることで、施術の効果もより高まりやすくなるでしょう。


ハビットコントロールで首にやさしい姿勢習慣を定着

当院が導入する「ハビットコントロール」は、立つ・座る・歩くといった基本動作を本来の使い方へ再学習する運動プログラムです。胸郭と骨盤の位置、深い呼吸、深頸筋の働きを整え、前方頭位や巻き肩を是正。首への持続的負荷を減らし、痛み・めまいの再発予防と機能改善を同時に目指します。


柔道整復師+アスレティックトレーナーのダブルライセンス体制

当院では、国家資格である柔道整復師に加え、スポーツ現場で専門的な知識と技術を求められるアスレティックトレーナーの資格も併せ持つ施術者が対応しています。このダブルライセンス体制により、医療の知識と機能改善の視点を両立した質の高いケアを提供できる点が大きな強みです。首は神経や血管が集中する領域であるため、安全性の高い判断と施術は欠かせず、当院ではその点を重視して対応しています。 


専門知識に基づいた状態の判断

首の痛みやしびれ、めまいなどの症状は、整骨院での施術が適切か、あるいは医療機関で検査すべきかの見極めが必要となる場合があります。当院では、解剖学・生理学に基づく専門的判断により、患者様に必要な対応を適切に提案しています。安全性を確保しながら改善に導くことを重視しています。 


一人ひとりの症状に合わせた施術

ストレートネックと一口に言っても、症状の原因や背景は人によって異なります。姿勢や筋力、生活習慣を踏まえたうえで、首だけでなく全身を整えるオーダーメイド施術を提供しています。患者様ごとに異なる要因に合わせたアプローチが、改善の確かな一歩となるでしょう。 



再発しないためのセルフケア

施術による変化を持続させるためには、日常生活でのケアが不可欠です。当院ではリハサクを活用した自宅トレーニングや姿勢改善のポイントをわかりやすくお伝えし、患者様自身が身体を整えられる環境を整えています。生活習慣の改善が定着することで、ストレートネックの再発を防ぎやすくなります。


ストレートネックに関するよくある質問(Q&A)


ストレートネックは本当に治るのか?

ストレートネックは適切なケアを継続することで改善が期待できる症状です。姿勢や筋力の改善、胸郭や骨盤の調整を行うことで首のカーブが徐々に回復し、症状の軽減や動きやすさの向上がみられるケースも多くあります。 


どれくらいの期間で改善する?

改善までの期間は、症状の程度や生活習慣、運動の習慣化などによって個人差が出ます。軽度の場合は数回の施術で変化を感じることがありますが、長期間続くストレートネックでは数週間〜数ヶ月の継続的なケアが必要になることもあります。当院では状態に応じて通院頻度や改善計画をご提案しています。 


デスクワーク中の正しい姿勢・環境づくりは?

 画面の高さを目線の高さに合わせる、肘と膝の角度を90度前後に保つ、深く座って骨盤を立てるなどが重要です。また、1時間に1回は立ち上がって体を動かすことで筋緊張を軽減できます。椅子や机の高さ、モニター位置を調整することで首への負担を大きく減らすことが可能です。 


しびれ・めまい・ふらつきがある場合は?

これらの症状は神経や血管、自律神経への負担が大きい場合に生じることがあり、ストレートネック以外の疾患が隠れている可能性もあります。当院では、施術が適切か、医療機関での検査が必要かを判断したうえで、必要に応じて受診をおすすめしています。安全性を確保する観点からも、自己判断で放置しないことが重要です。


症状を放置しないで|健康を守るために

ストレートネックは初期段階では軽い違和感のみで気付きにくいことがありますが、放置すれば頭痛やめまい、しびれなど多くの不調へ広がる可能性があります。早期に正しいケアを行うことで改善しやすく、再発しにくい身体づくりにつながります。当院では一人ひとりの状態に合わせた施術とホームケアを通して、首の健康を守るサポートを行っています。気になる症状がある際は、どうぞお気軽にご相談ください。

 
 
 

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