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椎間板ヘルニアの症状|つらい痛み・しびれを改善するための正しい知識

  • 執筆者の写真: 柾行 神田
    柾行 神田
  • 1 日前
  • 読了時間: 10分

椎間板ヘルニアは、背骨のクッションである椎間板が押しつぶされ、周囲の神経を圧迫することで痛みやしびれを引き起こす疾患です。腰(腰椎)や首(頚椎)で発症することが多く、日常生活の姿勢や動作、加齢による変性などさまざまな背景が関与しています。重症化する前に適切な対処を行うことで、改善のスピードが大きく変わってきます。


ヘルニアの仕組みから原因、改善方法、整骨院での対応までを分かりやすくまとめました。


椎間板ヘルニアの説明

椎間板ヘルニアとは?症状と仕組みを理解する

椎間板ヘルニアは、背骨同士の間にある椎間板がつぶれ、中の髄核が飛び出すことで神経を圧迫する状態を指します。飛び出した部分が神経根や脊髄を刺激すると、鋭い痛みやしびれ、筋力低下、動作制限などが生じます。発症初期は腰痛・首痛のみで済むこともありますが、悪化すると歩行困難や日常生活への支障が出ることもあるため、早期の判断が重要になります。


腰椎・頚椎で起こる椎間板の損傷

腰椎ヘルニアは、腰に過度な負荷がかかり続けることで椎間板が損傷し、髄核が後方へ飛び出して神経を圧迫することで発症します。重い荷物を持ち上げる動作や、座りっぱなしの姿勢が続くことで椎間板に圧力が集中しやすく、結果として損傷が進行します。


一方、頚椎ヘルニアは首周りの姿勢不良やスマホ・PC作業による負担が増えることで起こり、肩こりや腕のしびれ、握力低下につながることもあります。どちらにおいても、椎間板の変性と不適切な姿勢の蓄積が大きな要因です。


初期症状から重症化サイン

初期の椎間板ヘルニアでは「腰が重い」「首がこりやすい」「ふとした動作で痛む」といった軽度の症状が現れます。進行すると、お尻・脚・腕などにしびれや痛みが広がり、立ち上がり動作がつらい、長時間の座位が難しいなどの状態へ悪化していきます。


さらに重症化すると、足の力が入りづらくなる筋力低下や、歩行のふらつき、排尿・排便の異常など、神経障害による危険なサインが出ることもあります。この段階になる前に、早めの評価とケアを行うことが重要です。 


神経圧迫による痛み・しびれの特徴

神経が圧迫されると、その支配領域に沿って痛みやしびれが広がるのが特徴です。腰椎ヘルニアでは、お尻〜太もも〜ふくらはぎ〜足先にかけて電気が走るような痛みが出やすく、いわゆる坐骨神経痛の症状を伴います。頚椎ヘルニアでは、肩〜腕〜指先のしびれ、握力低下、物を落としやすいといった症状が現れることもあります。神経症状は生活の質を大きく低下させるため、放置せず専門家による評価を受けることが大切です。


手首を抑える男性

椎間板ヘルニアの原因|なぜ発症するのか

椎間板ヘルニアには必ず背景となる原因が存在します。姿勢不良・筋力低下・柔軟性不足・加齢変化などが重なり合うことで椎間板への負担が増し、結果として損傷へとつながります。原因を理解することで、予防や改善に必要なアプローチが明確になります。 


姿勢不良・長時間同一姿勢による負担

猫背や反り腰、首が前に出た姿勢は、椎間板に常に偏った圧力をかけます。特に座りっぱなしの姿勢では、立位よりも椎間板内圧が大きくなることが知られており、長時間のデスクワークはヘルニアの発症リスクを大きく高めます。


また、背中が丸まった姿勢が続くと、椎間板の後方が押しつぶされやすくなり、髄核が飛び出しやすい状態を作ります。姿勢習慣を見直すことは、発症予防において非常に重要なポイントです。


加齢・筋力低下・柔軟性低下の影響

加齢に伴って椎間板は水分量が減り、クッション性が低下していきます。この変性が進むと、小さな負荷でも損傷が起こりやすくなります。また、腹筋・背筋・殿筋といった姿勢を支える筋肉が弱くなると、背骨の安定性が低下し、椎間板に無理な力がかかります。さらに、筋肉や関節の柔軟性が低下すると動作の幅が狭まり、身体全体で衝撃を分散できなくなるため、椎間板への負担が増してしまいます。 


急な動作や不適切な負荷による椎間板へのストレス

重い荷物を急に持ち上げる、勢いよく体をひねる、スポーツで急な切り返し動作を行うなど、瞬間的な強い負荷もヘルニア発症の引き金になります。とくに筋肉が冷えている状態や疲労している場面では、椎間板が衝撃を吸収しきれず損傷しやすい傾向があります。


日常のちょっとした不意の動作でも痛みを感じることがあるため、「いつもと違う違和感」を軽視しないことが大切です。


悪化を招くNG習慣とは?

ヘルニアの症状は、日常の習慣によって悪化することがあります。無理なストレッチや自己判断でのケアは逆効果になる可能性があるため、正しい知識をもって予防に取り組むことが重要です。 


椎間板ヘルニアで悩む女性

無理なストレッチ・体を反らす動作の危険性

痛みを改善しようと体を反らしてしまう方がいますが、これは椎間板にさらなる圧力をかける危険な動作です。特に腰を大きく反らす姿勢は後方の椎間板を強く圧迫し、ヘルニアの悪化を招く可能性があります。


また、痛みを我慢しながら行う強引なストレッチは神経を刺激してしまい、症状を強める原因にもなります。ストレッチは“気持ちよい範囲”で行うことが鉄則です。 


自己判断による痛み止め・コルセットの乱用

痛み止めは一時的な症状の軽減には役立ちますが、原因を解決するわけではありません。痛みが引いたからと無理をして動くことで、かえって症状を長引かせることもあります。また、コルセットの常用は筋力低下につながり、椎間板への負荷が増す場合があります。自己判断に頼るのではなく、状況に応じた使い分けを専門家に相談することが大切です。 


痛みをごまかし続けることで起こる慢性化

「そのうち良くなるだろう」と痛みを放置すると、神経の炎症が長引き慢性化しやすくなります。また、痛みにより動作が制限されることで筋力が低下し、椎間板への負担がさらに増える悪循環に陥ることもあります。軽度の症状でも長期化すると改善までに時間がかかるため、早めに原因を特定して対処することが大切です。 



椎間板ヘルニアを改善するための正しいアプローチ

ヘルニア改善には、神経圧迫を和らげながら、姿勢や動作の見直し、筋力・柔軟性の改善を同時に進める必要があります。痛みの軽減だけでなく、再発予防も見据えた総合的なアプローチが重要です。 


運動指導を受ける様子

痛みを和らげる姿勢・日常動作の工夫

痛みが強い時期は、神経への負担を減らす姿勢や動作が必要です。腰を少し丸めた姿勢が楽な場合も多く、無理に反らさないことがポイントです。また、長時間同じ姿勢を避け、こまめに立ち上がって背骨の負担を減らすことも効果的です。寝る姿勢は横向きで膝を軽く曲げると比較的楽になりやすく、日常の小さな工夫で症状の悪化を抑えることができます。 


筋膜リリース・関節調整の重要性

椎間板ヘルニアでは、周囲の筋肉が緊張し背骨の動きが制限されていることが多く見られます。筋膜リリースで筋肉の硬さを緩め、関節調整で骨格のバランスを整えることで、神経への圧迫を減らし動きやすさが改善します。こうした施術は痛みの軽減だけでなく、姿勢改善や再発予防にもつながるため重要です。 


ストレッチと運動療法の正しい取り入れ方

改善に向けては、背骨を安定させるインナーマッスルのトレーニングや、硬くなった筋肉を適切に伸ばすストレッチが欠かせません。無理のない範囲で行うことで、神経への圧迫が軽減し、筋バランスが整いやすくなります。


また、継続的に運動療法を取り入れることで、椎間板への負担が減り再発予防効果も高まります。



おおぶち整骨院での椎間板ヘルニア対応

おおぶち整骨院では、椎間板ヘルニアによる痛みやしびれに対し、原因の見極めから改善・再発予防まで一貫したケアを行っています。身体の状態を多角的に分析し、症状に合わせた施術と運動指導を組み合わせることで、より効果的な改善を目指します。 


柔道整復師+アスレティックトレーナーのダブルライセンス体制

国家資格の柔道整復師に加え、運動・リハビリの専門家であるアスレティックトレーナーの資格を有するスタッフが在籍しています。このダブルライセンス体制により、痛みの評価だけでなく動作や姿勢の分析にも基づく高度な判断ができ、筋肉・関節・神経の状態を多角的に見極めた施術が可能です。競技復帰を目指す方にも専門的な対応ができる点が大きな強みです。 


整骨院で施術を受ける様子

姿勢・動作から原因を読み解く施術方針

ヘルニアの症状は単に椎間板の問題だけでなく、姿勢や動作の癖が背景にあることが多く見られます。当院ではAI姿勢分析や徒手検査などを用いて、負担がかかっている動作や姿勢を特定し、根本的な原因を明らかにします。筋膜リリースや関節調整を組み合わせ、身体のバランスを整えることで症状の再発を防ぎやすい身体をつくっていきます。 


症状に合わせた運動指導とセルフケア

施術による改善だけでなく、日常生活でのセルフケアが回復を大きく左右します。当院では「リハサク」を活用し、自宅で取り組める運動メニューを動画で提供しています。正しい動きを確認しながら進められるため、復帰後の再発予防にも効果的です。痛みがある時期・改善してきた時期のそれぞれに合わせたメニューを提案し、無理なく継続できることを重視しています。


ハビットコントロールで椎間板に優しい動作を習慣化

当院では、再発予防の要として「ハビットコントロール」を導入しています。立つ・座る・前屈・物の持ち上げ(ヒップヒンジ)・歩行といった日常動作を、本来の重心線と体幹・殿筋の協調で行えるよう再学習。


背骨に偏った圧が集中する癖を修正し、椎間板内圧の過度な上昇を抑えます。急性期は痛みを増やさない動作代償の獲得、回復期は可動域・体幹安定化、復帰期は実生活/仕事動作での定着へと段階的に指導。リハサクの動画メニューとも連携し、自宅でも同じフォームで継続できる環境を整え、痛みの軽減と再発防止を同時に目指します。



整骨院と病院(整形外科)の使い分けは?

椎間板ヘルニアの症状は整骨院で改善できるケースが多い一方、医療機関での検査や治療が必要になる場合もあります。正しい使い分けを理解しておくことで、より安全かつ効率的な改善が可能になります。 


手術が必要となる可能性があるケース

強いしびれが急に広がる、足に力が入りにくい、歩行が不安定になるなどの症状がある場合は、神経が強く圧迫されている可能性があります。また、排尿・排便の異常がある場合は緊急性が高く、速やかに整形外科を受診する必要があります。こうしたケースでは、手術や医療的な治療が適切となることがあります。 


当院で行う状態評価と医療機関への連携

当院では徒手検査・AI姿勢分析などで状態を評価し、整骨院で対応できる範囲かどうかを見極めます。必要に応じて整形外科と連携し、MRIなどの画像検査や医療的処置を提案することも可能です。整骨院・病院のどちらが適切かを判断しながら進めることで、安心して改善を目指すことができます。


椎間板ヘルニアに関するよくある質問(Q&A)


椎間板ヘルニアは治るのか?

ヘルニア=治らないというイメージを持つ方もいますが、実際には多くのヘルニアが保存療法で改善します。飛び出した椎間板の組織が自然に吸収されるケースもあり、痛みやしびれが軽減していくことが珍しくありません。重要なのは、神経への負担を減らす姿勢や動作を身につけ、再発を予防することです。 


どれくらいで症状が改善する?

改善のスピードには個人差がありますが、一般的には数週間〜数か月で改善していくケースが多いです。ただし、神経症状が強い場合や生活習慣に問題がある場合は時間がかかることもあります。施術とセルフケアを両立することで、改善のスピードは大きく変わってきます。 


自宅でできるケアや正しいストレッチは?

腰や首の負担を減らす姿勢、背骨を安定させるインナーマッスルのトレーニング、軽度のストレッチなどが効果的です。特に、股関節周囲の柔軟性を高めることは腰椎の負担軽減につながるためおすすめです。激しいストレッチや反らす動作は悪化を招くため注意が必要です。



つらい症状は放置しないでください|早期改善の大切さ

椎間板ヘルニアは、痛みやしびれが軽度でも適切なケアを早期に始めることで回復スピードが大きく変わります。初期の段階でしっかり原因を見極め、姿勢や動作の改善を取り入れることで重症化を防ぎやすくなります。また、ご予約やお問い合わせはいつでも受け付けておりますので、つらい症状を我慢せず、まずはお気軽にご相談ください。

 
 
 

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