捻挫で歩けるけど痛いのは危険?腫れや放置のリスクを解説
- 柾行 神田
- 7 日前
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更新日:6 日前
捻挫をしたあと、「歩けるけど痛い」「少し腫れているだけだから大丈夫そう」と判断し、そのまま日常生活を続けてしまう方は少なくありません。しかし、歩けることと、組織が十分に回復していることは別であり、靭帯や関節周囲にダメージが残っているケースも多く見られます。特に時間が経ってから腫れが強くなったり、足首だけでなくすねに痛みが出てくる場合は注意が必要です。本記事では、捻挫後に歩ける状態でも気をつけたいポイントや、腫れ・放置による影響、判断の目安について解説します。

捻挫して歩けるけど痛い状態とは
捻挫後に歩行が可能な場合、仕事や学校に支障が出にくいため、深刻に受け止めにくい傾向があります。ただし、痛みが残っているということは、靭帯や関節周囲の組織が完全には回復していない可能性を示しています。違和感や不安定感がある状態で無理に動き続けると、回復が遅れたり、他の部位に負担が広がることもあります。現在の状態を正しく理解し、痛みの意味を軽視しないことが重要です。
「歩ける=軽症」とは限らない理由
捻挫では、靭帯が部分的に損傷していても、筋力や他の組織が補うことで歩行が可能なことがあります。そのため、見た目や動作だけでは状態の重さを判断しにくいのが特徴です。靭帯の損傷度合いと歩けるかどうかは必ずしも一致しません。痛みを我慢して動かしている場合、関節の安定性が低下しやすく、後に再発しやすい状態になることもあるため注意が必要です。
足首だけでなく、すねに痛みや腫れが出るケース
捻挫後にすね周辺に痛みや腫れが出る場合、足首をかばった歩き方や立ち方が続いている可能性があります。本来使わない筋肉や骨に負担が集中し、二次的な症状として現れることも少なくありません。また、内出血が重力の影響で下方に広がり、すね付近に腫れとして出てくるケースもあります。これらは回復が順調でないサインの一つとして捉えることが大切です。
捻挫による腫れが起こる仕組み
捻挫後に腫れが出るのは、損傷した組織を修復しようとする体の自然な反応です。血流が増え、炎症反応が起こることで腫れや熱感が生じます。ただし、腫れの強さや引くまでの期間は個人差があり、負担の度合いを判断する重要な材料になります。単なる経過反応として片付けず、状態の変化を観察することが重要です。
靭帯損傷と内出血・炎症反応の関係
靭帯が伸ばされたり部分的に損傷すると、周囲の毛細血管も傷つき、内出血が起こります。これにより炎症反応が生じ、腫れや痛みとして現れます。炎症は修復に必要な過程ですが、動かしすぎると反応が長引くことがあります。そのため、初期段階での負担管理が、その後の回復スピードに大きく影響します。
時間が経ってから腫れが強くなる理由
捻挫直後はアドレナリンの影響などで痛みや腫れを感じにくいことがあります。しかし、数時間から翌日にかけて炎症反応が進み、腫れが目立ってくるケースは少なくありません。「その場では大丈夫だった」という判断で動き続けると、結果的に腫れが悪化することもあります。時間経過による変化を含めて状態を評価することが大切です。
捻挫を放置すると起こりやすい症状
捻挫は自然に良くなると思われがちですが、適切なケアを行わずに放置すると、回復までに時間がかかったり、別の不調につながることがあります。特に歩ける状態が続くと無理をしやすく、関節や周囲組織への負担が慢性化する可能性があります。初期の判断が、その後の経過を左右します。
関節の不安定感や再発リスクの増加
靭帯が十分に回復しないまま使われ続けると、関節を支える力が低下し、不安定感が残ることがあります。その結果、ちょっとした動作でも再び捻りやすくなる状態に陥る場合があります。再発を繰り返すことで、運動や日常動作に対する不安が強くなるケースも見られます。
慢性的な痛み・違和感が残る可能性
痛みや腫れが落ち着いた後も、「なんとなく違和感がある」「疲れると痛む」といった症状が続くことがあります。これは、組織が完全に修復されないまま使われてきた結果と考えられます。軽い症状でも放置することで慢性化する可能性があるため注意が必要です。
捻挫直後に気をつけたい応急対応の考え方
捻挫直後の対応は、その後の回復だけでなく、将来的な足関節の安定性にも影響します。適切な初期対応が行われない場合、痛みが長引くだけでなく、慢性足関節不安定症(CIA)へ移行するリスクが高まるとされています。歩ける状態であっても、まずは損傷部位を守る視点を持ち、早期の対応を意識することが重要です。
CIA(慢性足関節不安定症)につながる初期対応の遅れ
CIAとは、捻挫後に靭帯の機能低下や感覚の異常が残り、足関節が不安定な状態を繰り返すことを指します。捻挫直後に適切な処置が行われず、痛みを我慢して使い続けることが、CIAの発症要因の一つと考えられています。歩けるからと放置せず、初期段階で負担を抑える判断が、将来的な不安定感や再発予防につながります。
RICE処置(安静・冷却・圧迫・挙上)の基本的な考え方
捻挫直後の応急対応として広く知られているのがRICE処置です。安静により追加の損傷を防ぎ、冷却で炎症反応を抑え、圧迫によって腫れの拡大を防ぎます。さらに挙上を行うことで、腫れや内出血の軽減が期待されます。ただし、症状の程度や経過によって適切な対応は異なるため、状態を見ながら専門家の判断を仰ぐことが望まれます。
仕事や部活を続けてよいかの判断基準
捻挫後、仕事や部活動を休むべきかどうかは多くの方が悩むポイントです。完全に休むか、調整しながら続けるかは、症状の強さだけでなく生活環境も含めて判断する必要があります。一人ひとり状況が異なるため、画一的な判断はできません。
痛みや腫れの強さによる目安
安静にしていても痛みが強い場合や、日を追うごとに腫れが増す場合は、負担を減らす判断が必要です。一方、動作後も悪化せず痛みが軽度であれば、内容を調整しながら継続する選択肢も考えられます。日々の変化を基準に判断することが重要です。
生活・競技環境を考慮した現実的な選択
立ち仕事や長時間の歩行、ジャンプや切り返し動作が多い競技では、足首への負担が大きくなります。そのため、仕事内容や練習頻度を踏まえ、患者様と一緒に現実的な対応を検討します。無理を前提としない調整が、結果的に回復を早めることもあります。
当院が捻挫の評価と施術で大切にしていること
捻挫は見た目だけでは状態を正確に判断しにくく、評価の質が回復過程に大きく影響します。当院では「歩けるかどうか」だけで判断せず、どの組織に、どの程度の負担がかかっているかを重視し、今後の方針を検討します。
エコー(超音波)による状態評価の重要性
エコーを用いることで、靭帯や筋、腱などの軟部組織の状態を視覚的に確認できます。これにより、推測だけに頼らない評価が可能となり、患者様にも状態を共有しやすくなります。納得感を持って回復に向き合えることも大切にしています。
柔道整復師とATのダブルライセンスによる対応
柔道整復師とアスレティックトレーナーの両資格を持つスタッフが対応し、日常生活だけでなくスポーツ復帰までを見据えた視点でサポートします。再発予防や動作の考え方まで含めた対応が当院の特徴です。
捻挫で歩けるけど痛い場合の受診目安
歩ける状態でも、数日経っても痛みや腫れが引かない場合や、不安定感が強い場合は相談を検討するとよいでしょう。「様子を見るか迷う段階」こそ、専門家に相談するタイミングと考えられます。
まとめ
捻挫で歩けるけど痛い状態は決して珍しくありませんが、放置すると回復が遅れたり、違和感が残ることがあります。腫れや痛みは体からの重要なサインです。無理をせず、状態や生活環境に合わせた判断を行うことが、安心して日常生活やスポーツに戻るための近道になります。




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