テニス肘の原因と改善方法|手首・肘の痛みを根本から取り除く
- 柾行 神田
- 1 日前
- 読了時間: 9分
テニス肘(外側上顆炎)は、物を持つ、手首を反らす、ひねるといった日常動作でも肘の外側に痛みが出る症状で、スポーツをする方に限らず、デスクワークや家事をする方にも非常に多い疾患です。悪化するとペットボトルのフタを開けるだけで痛みが走るなど、生活に大きな支障をきたすことがあります。症状を緩和させるには、炎症が起こる仕組みと背景にある“負担のかかり方”を正しく理解することが欠かせません。
本記事では、テニス肘の原因、悪化を防ぐ方法、改善のためのアプローチ、そして整骨院で受けられる専門ケアについて詳しく解説します。

テニス肘とは何か|症状と起こる仕組み
テニス肘とは、肘の外側にある「外側上顆」という部分に炎症が起き、手首や肘を動かした時に痛みが生じる症状です。特に手首を反らす動作や、物をつかんで持ち上げる動作で痛みが強くなるのが特徴です。原因はスポーツだけでなく、日常生活での反復作業や姿勢のクセなど多岐にわたり、誰にでも起こりうる疾患といえます。
外側上顆に起こる炎症と負担のメカニズム
外側上顆には、手首を反らす・ひねる際に働く前腕の筋肉が付着しています。これらの筋肉に繰り返し負担がかかると、筋肉の付着部に微細な損傷が生じ、炎症によって痛みが発生します。
特に、力んで物を持つ、長時間マウス操作をする、腕を伸ばした状態で作業を続けるなど、前腕の筋肉に緊張が蓄積しやすい動作は痛みを引き起こす大きな要因です。初期の段階では違和感程度でも、負担を続けると痛みが強くなり慢性化するケースもあるため、早めの対処が重要となります。

テニス肘で起こりやすい症状
テニス肘では、肘の外側だけでなく、前腕〜手首にかけて多様な痛みや違和感が現れます。初期は軽い動作での「ピリッ」とした痛みから始まり、進行すると日常の些細な動作でも痛みが走るようになります。
また、使い続けることでだるさや力の入りづらさが積み重なり、握る・持つといった基本動作に支障が出ることも少なくありません。早期に症状を把握し、適切な対処を行うことが重要です。
◼︎物を持つと痛む
ペットボトルや鍋など軽いものでも、握って持ち上げる動作で痛みが出やすくなります。前腕の筋肉に負担が集中し、付着部にストレスがかかることで痛みが起こるため、日常生活での不便さを強く感じやすい症状です。
◼︎手首を反らす・ひねる動作での痛み
ドアノブを回す、雑巾を絞る、バッグを引き寄せるといった手首を反らす・ひねる動作で痛みが走りやすくなります。前腕の筋肉が強く働くため、外側上顆に負担が集中し、炎症を悪化させる引き金となることもあります。
◼︎慢性的なだるさ・力の入りにくさ
前腕全体に重だるさが残り、握力が低下したように感じるケースもあります。筋肉の緊張や炎症が続くことで力が入りにくくなり、長時間の作業の後に疲労感が強く残ることが多いのが特徴です。
テニス肘の主な原因|なぜ炎症が起こるのか
一般的に「使いすぎ」が原因と言われますが、その背景には筋力不足、動作のクセ、姿勢の乱れなど複数の要因が混在しています。同じ作業をしていても痛む人と痛まない人がいるのは、身体の使い方や負担のかかり方に個人差があるためです。
手首・肘を酷使するスポーツや反復動作
テニス肘という名前の通り、テニスのバックハンド動作は外側上顆に大きなストレスをかけます。ただし、発症するのはスポーツ選手に限りません。ペンを長時間握る、工具を使用する、料理で包丁を使う、荷物を持つなど、前腕の反復作業が続けば誰でも発症する可能性があります。負担が蓄積すると筋肉付着部に微細な断裂が起きやすくなり、炎症が慢性化しやすくなる点には注意が必要です。
デスクワーク・家事など日常生活の負担
マウス操作やタイピング、スマホの使用といった日常的な動作は前腕の筋肉を緊張させやすく、知らず知らずのうちに肘への負担を増大させます。特に、肘が身体から離れた位置で作業している人は負担が大きくなりがちです。
また、掃除や料理など家事動作でも手首の反復使用が多く、テニス肘の原因となることがあります。日常生活の動作を見直すことが改善の重要な一歩です。
筋力不足・動作のクセ・フォームの乱れ
前腕だけでなく肩・肩甲骨周りの筋力不足があると、腕の動作時に負担が一点に集中しやすくなります。また、スポーツのフォームが崩れている場合、必要以上に手首や肘を使う動作になり、炎症を引き起こす原因となります。筋力や柔軟性のバランスが取れていない状態では、治療後も再発しやすいため、身体全体の使い方を見直すことが求められます。
悪化を招くNG行動とは?
早く治したい一心で誤った対処をしてしまい、かえって悪化するケースも少なくありません。正しい知識を持つことで、無駄な痛みの長期化を防ぐことができます。
痛みを我慢した反復動作・力作業
「少し痛いけど動けるから大丈夫」と無理に使い続けることは症状の悪化を招きます。炎症が進むと治りにくくなるだけでなく、握力の低下や筋力バランスの乱れを引き起こし、日常生活に支障が出ることもあります。初期の段階で適度な安静を取り、負担を減らすことが改善への近道です。
強いマッサージ・自己流ストレッチの危険性
痛みがある場所を強く揉むと、筋肉や腱がさらに傷つき、炎症が悪化する場合があります。また、自己流のストレッチは狙った筋肉に適切に負荷がかからず、逆効果となるケースも少なくありません。特に急激に手首を反らす・ひねる動作は避ける必要があります。専門的な評価をもとに正しいケアを行うことが重要です。
湿布やサポーターだけで対処するリスク
湿布やサポーターは一時的な痛みの軽減には役立ちますが、根本改善にはつながりません。炎症を抑えながらも、筋肉・関節の動きを整えなければ、痛みが戻りやすい状態が続いてしまいます。あくまで補助として捉え、適切な施術や運動療法と併用することが望まれます。
テニス肘を改善する正しいアプローチ
テニス肘の改善には炎症を抑えるだけでは不十分で、負担がかかる原因—動作のクセ、筋力不足、姿勢の乱れ—まで整える必要があります。段階的なアプローチが痛みの軽減と再発予防に効果的です。

炎症期の対応と負担軽減の工夫
痛みが強い急性期には過度に使わないことが最優先です。必要に応じてアイシングを取り入れ、肘や手首を無理に動かさないよう注意します。また、仕事や家事の動作を一時的に調整し、患部の負担を軽減することが改善スピードを左右します。重い物を片手で持つ、手首を強く反らす動作は避け、必要に応じてタオルを巻いたり作業姿勢を工夫することが大切です。
ストレッチ・運動療法の正しい取り入れ方
痛みが落ち着いてきた段階では、前腕のストレッチや握力トレーニング、肩甲骨の安定性を高める運動が効果的です。特に、使いすぎによる炎症だけでなく、使わなさすぎによる筋力低下がある場合は、段階的なトレーニングが必要です。ただし、誤ったフォームで行うと再発につながる可能性があるため、専門家の指導のもとで正しい方法を身につけることが推奨されます。
おおぶち整骨院でのテニス肘ケア
おおぶち整骨院では、痛みのある部位だけを見るのではなく、姿勢や動作の癖まで含めて総合的に評価し、根本的な改善を目指します。症状を和らげるだけでなく、再発しにくい身体づくりをサポートすることが特徴です。

柔道整復師とAT(アスレティックトレーナー)による専門評価
当院は、解剖学・運動学に基づく判断ができる柔道整復師に加え、動作分析やトレーニング指導に特化したアスレティックトレーナーの視点を組み合わせて評価を行います。スポーツ由来の痛みだけでなく、デスクワークで起こるテニス肘にも対応できる体制が整っており、専門性を活かした施術方針を立てることが可能です。
また、評価の精度を高めるために「超音波エコー(超音波画像診断装置)」を導入しています。筋肉や腱の損傷状態、炎症の有無、腱付着部の微細な変化を可視化することで、感覚や経験だけに頼らない客観的な判断が可能になります。これにより、安静が必要な段階と運動療法を始めるべき段階を正確に見極められるため、回復のスピードと再発防止の両面で大きな効果を発揮します。画像をもとに状態を確認できることで、患者様自身も納得しながら安心して治療を進められる点が特徴です。
肘だけでなく動作・姿勢を含めた根本アプローチ
肘の痛みは結果であり、原因は別の部位に潜んでいる場合が少なくありません。肩甲骨がうまく使えていない、体幹が安定していない、手首に負担が集中するなど、身体の連動性が崩れることで肘に負担がかかります。
痛みの出る動作を詳しく分析し、筋膜リリースや関節調整を組み合わせながら、根本原因へアプローチします。
再発防止に向けたセルフケアと運動指導
施術だけではなく、日常でのケアも改善には不可欠です。当院ではリハサクを使用し、動画つきのストレッチ・トレーニングメニューを提供することで、自宅でも正しい動作を習得できるようサポートしています。継続しやすい仕組みにより、再発予防にも大きな効果が期待できます。
さらに、再発防止と動作改善を目的として「ハビットコントロール」を取り入れています。これは、肘や手首の使い方の癖を整え、肩甲骨や体幹を含めた全身の連動を正しく再教育するプログラムです。
テニス肘は、同じ動作の繰り返しや不良姿勢によって負担が集中することが多いため、ハビットコントロールによって“正しい動かし方を習慣化”することが重要です。リハサクでの運動を通じてこの新しい動作パターンを定着させることで、痛みの再発を防ぎながら、より快適に日常動作やスポーツを行える身体づくりをサポートします。
テニス肘に関するよくある質問(Q&A)
テニス肘はどれくらいで改善する?
症状の程度や生活習慣によって改善期間は大きく異なります。軽度であれば数週間から改善が見られることもありますが、慢性化している場合は数か月かけて筋力や動作を整える必要があります。負担を減らしながら適切な施術と運動を組み合わせることで、改善スピードは大きく変わります。
サポーターやテーピングは必要?
炎症が強い時期には、患部への負担を減らす目的でサポーターを使用するのは有効です。しかし、サポーターだけでは根本原因は改善されません。動作や姿勢の問題が残っている場合、痛みが再発する可能性があります。必要に応じて専門家の指導を受けながら選択することが大切です。
自分でできる予防・ストレッチ方法は?
前腕のストレッチ、肩甲骨を動かす体操、握力を軽く使うトレーニングなどが役立ちます。また、手首を反らす時間を減らす、物を握りしめすぎないなど日常生活での工夫も重要です。ただし痛みが強い時は無理をせず、専門家に相談しながら進めるのが安心です。
痛みを放置しないでください|早期改善の重要性
テニス肘は軽い症状でも放置すると慢性化し、生活や仕事に支障が出ることがあります。早期に対応することで改善しやすく、再発リスクも大きく減らせます。「そのうち治る」と思わず、違和感や軽い痛みの段階で早めに対処することが重要です。
おおぶち整骨院では根本からの改善を目指し、あなたに合った最適なケアを提供しています。症状が気になる場合は、どうぞお気軽にご相談ください。




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